討匪行

 

 今、日本の新聞で「テロ」と呼んでいるものは、戦前・戦中では「匪賊」といっていた。満州・中国に派遣されていた日本軍(皇軍)は「聖戦」のために匪賊討伐をしょっちゅうやっていた。そして藤原義江が歌う「討匪行」、「どこまで続くぬかるみぞ・・・」が唄われていた。
匪賊には共産匪八路軍はじめいろいろな種類があり、その間で争い、日本軍が治安を維持するのだ、と宣撫工作では言ったものである。しかし中国人はやはり言葉の通じる匪賊のほうに日本軍よりも心が通じるものがある。そうした匪賊を武力で鎮圧させようとしても、もぐら叩きになって、いわば中国人全員を殲滅しなければ、それは可能ではなかった。その間に日本の国力は消耗して行ったが、軍部の面子上引くこともならず、国力が落ちたときに太平洋戦争に突入した。
今のブッシュ・ネオコン政権はかつての日本の轍を踏んでいるようである。フセインが捕まったのに、占領軍を撤退しょうとしない。すると、テロも続き、討匪行も続く。
彼らは異常である。私には多くのアメリカ人の友人がいるが、私の愛したアメリカが、ブッシュ・ネオコンの世界になるとは到底信じられない。やがて、次の大統領選挙の際に、復元力が働いてくる。もし働かなければ、どこまで続くぬかるみに日本も巻き込まれるか。