著者に警告

 


 私は以下のような経験をした。それには前例もあり、今後も同じようなことが繰り返される恐れもあるので、その経験を語っておきます。
 私はアメリカの出版社の依頼で、外国人学者の書いたものもまとめて、一つの英語の本を出版するはずであった。その中には日本人の著者や文献名が多く出るので、日本語を挿入しょうと思った。
 この本の制作には東京大学出版会の山口雅美氏の世話になっていたが、彼は出版されて補助金が下りるまで、日本語挿入の費用を一時印刷所に立て替えてくれないか、といわれた。その額は30万円もしないだろう、というので、私は了承した。
 校正も済んで、原稿をアメリカの出版社に送る最後の段階になって、突然印刷所ユニバーサル・アカデミー・プレス (作井代表)から、明細書をつけない、桁違いの高額の請求書とともに、支払わなければ法的手段に訴える、という文書が来た。
 調べてみると、直前に同じような前例が東大図書館にあった。関係者の話しを総合すると、ユニバーサル・アカデミー・プレスは、追加の仕事があったからと、高額を請求し、支払わなければ法的手段に訴えると、上司や上部機関に通告してきたので、云うなりに支払うことになった。役所は裁判に掛けられることはマイナスになるし、若い人なら昇進に差し支えることを恐れる。
 私の場合は裁判に掛かった。山口氏はユニバーサル・アカデミー・プレス側の証人となり、私は敗訴した。その際、著者の私が関知しない間に、ユニバーサル・アカデミー・プレスが「東京大学出版会山口様」あてに送った見積書が唯一の証拠となった。そして、本はいまだに出版されない。
 著者も、自分の著書の費用について印刷所から訴えられるのである。

いずれ、「我が被告記」を公開する用意があります。