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これは私の生涯の自慢の一つである。私より年長のアメリカ人に自己紹介するとき、これを付け加えると、「俺も見た、見た!」と相好を崩して乗ってくる。なお、私が見に行った時には、ルースはホームランを打たなかった。
 甲子園の近くに育っていやでも野球好きになった私達は、小学校に入る前、ルースやゲーリッグ、ゲーリンジャーなどのメンコ(関西ではベッタンという)で遊んでいた。
 当時、ルースのアメリカ軍に対抗して、全日本軍が組織されたが、ぜんぜん勝負にならず、日米を混ぜて紅白試合をやって、やっとゲームになったものである。
 以来、全日本軍はジャイアンツになり、その相手としてタイガースが組織された。以来、私はタイガース・ファンであるが、やはり懐かしいのは少年時代、ジャイアンツと対等であった景浦、若林、藤村のタイガース、戦前戦後、二リーグ分裂前のダイナマイト打線であった。
 以後、今のような惨状が続くが、いまだにタイガースが気になってしょうがない。何の因果でこういうことになったのか、と苦笑しつつも、この癖は死ぬまで治りそうにない。